喘息や各種アレルギー疾患に対応いたします

喘息や花粉症、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎など、各種アレルギー疾患の診療に対応しております。咳が長引く、季節の変わり目にくしゃみや鼻水が出る、特定の食べ物で体調を崩すといった症状は、アレルギーが原因かもしれません。アレルギーとは、免疫機能が過剰に反応し、体のさまざまな症状が引き起こされる現象を指します。
適切な検査と診断を行い、患者様一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせた治療をご提案いたします。吸入治療や内服薬、生活指導まで、総合的なケアを心がけております。お子さまから大人の方まで幅広く診療しておりますので、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
『喘息』について
喘息は、空気の通り道である気道に慢性的な炎症が起こることで、咳や息苦しさ、喘鳴(ぜんめい:ヒューヒュー・ゼーゼーという音)などの症状が繰り返し現れる病気です。
原因は一つではなく、さまざまな要因が関係しています。代表的なものとして、ダニやホコリ、花粉、カビ、ペットの毛などの「アレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)」への過敏反応があります。また、風邪などのウイルス感染、タバコの煙、大気汚染、気温の変化、運動、ストレスなども発作を引き起こす要因になります。
近年では、大人になってから発症する「成人喘息」も増えており、特に女性やアレルギー体質のある方に多い傾向があります。原因や症状には個人差があるため、早期の診断と適切な管理が重要です。
当院では、丁寧な問診と検査を通じて、患者様一人ひとりに最適な治療方針をご提案いたします。
喘息の診断
喘息の診断は、症状の特徴や重症度を正確に把握し、他の呼吸器疾患との区別をつけることが重要です。まず、咳や息苦しさ、喘鳴(ヒューヒュー・ゼーゼーという音)などの症状の有無や頻度、発作が起こる状況(季節、運動時、夜間など)について丁寧に問診を行います。簡易的には経皮的酸素飽和度(パルスオキシメーター)で酸素濃度を測定し重症度を判断します。必要に応じて胸部レントゲン検査や、アレルギーの有無や炎症反応などを確認する血液検査を行うこともあります。また個別で、日々の呼吸の変化を観察するピークフロー測定を取り入れることもあります。当院では、これらの検査を組み合わせて総合的に診断し、患者様一人ひとりに適した治療方針を丁寧にご説明いたします。
喘息の治療
喘息の治療は大きく分けて、「発作時の治療」と「長期的な管理」の2つの柱から成り立ちます。まず発作が起きた際には、重症度に合わせ酸素吸入が必要か判断し、気道を広げて呼吸を楽にするための「気管支拡張薬」を使用します。これにより、息苦しさや咳、ゼーゼー・ヒューヒューといった症状を速やかに和らげます。当院ではネブライザーでの吸入を行い、必要に応じて吸入器の短期貸し出しも行います(台数に限りがあります)。重症度により、酸素治療や点滴または内服でのステロイド治療も必要な場合があります。酸素治療が必要な場合は、入院のできる高次機能病院へ紹介させていただきます。
発作が治まった後も、症状の再発を防ぐためには、アレルギー反応を抑えるための「ロイコトリエン受容体拮抗薬」を内服したり、「吸入ステロイド薬」による継続的な治療が重要です。吸入ステロイドは、気道の炎症を抑えることで、発作が起こりにくい状態を保ちます。治療の基本は、「気道を広げて症状を緩和し、炎症を抑えて再発を防ぐ」という2段階のアプローチです。
ステロイド薬と聞くと、副作用を心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、吸入ステロイド薬は気管支に直接作用するため、使用量はごく微量であり、内服薬や注射薬のように全身に作用するタイプと異なり、体全体に影響することはほとんどありません。吸入薬では顔が丸くなる、骨が弱くなるなどの全身性の副作用はほとんど見られません。
診療の際には、喘鳴(ヒューヒュー・ゼーゼー)の程度(重症度)や頻度、特定の季節や環境で悪化するかどうかなどを詳しく問診診察し、患者様一人ひとりに合った治療計画を立てます。
『アトピー性皮膚炎』について
アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹がよくなったり悪くなったりを繰り返す慢性の皮膚疾患です。
湿疹やひどい乾燥などにより皮膚のバリア機能が低下し、そこからアレルゲンが侵入し刺激され、炎症がひどくなったりかゆみが誘発されます。掻くとバリア機能がさらに悪化するという悪循環に陥ります。
治療の基本は「悪化因子の除去」「スキンケア」「薬物療法」の3つです。
悪化因子には、乾燥、汗、ストレス、アレルギー物質などがあり、これらをできるだけ避けることが大切です。
スキンケアでは、常にうるおいを与え、皮膚の炎症が強い場合には、ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏、JAK阻害薬など塗り薬を使用して炎症を抑えます。外用薬でなかなかかゆみや湿疹が改善しない場合は、状況に応じ内服薬も併用します。
症状が改善した後も再発を防ぐために、スキンケアを続けながら、週に数回治療薬を塗る「プロアクティブ療法」が推奨されています。この方法は、症状が悪化してから治療を始めるのではなく、良い状態を維持するために定期的に薬を使う治療法です。
重症度に応じ適宜高次専門医療機関に紹介させていただきます。