「少し早い気がするけれど…」と感じたときには、お気軽にご相談ください

通常、思春期は女の子で8歳以降、男の子で9歳以降に始まるとされています。しかし、これよりも早い時期に体に大人のような変化があらわれる場合、「思春期早発症(そうはつしょう)」と診断されることがあります。
たとえば、女の子では胸のふくらみや陰毛の発生、男の子では精巣の大きくなる変化や声変わりなどが、通常よりも早く見られるのが特徴です。このような早すぎる体の成長は、最終的な身長が低くなる原因になるほか、周囲のお子さんとの心や体の違いに戸惑い、不安を抱えることもあります。
思春期早発症には、特別な治療が必要なケースと、経過を見守るだけでよいケースがあります。成長や発達のペースには個人差があるため、「少し早い気がするけれど大丈夫かな?」と感じたときには、お気軽にご相談ください。
当院では、お子さんの成長発達をやさしく見守りながら、必要に応じてホルモン検査や画像検査を行い、適切な対応をご提案いたします。心と体の両面から、お子さんとご家族に寄り添ったサポートを大切にしています。
思春期早発症の目安
女児
- 7歳6ヶ月未満で乳房発育
- 8歳未満で陰毛発生、腋毛発生
- 10歳6ヶ月未満で生理
男児
- 9歳未満で精巣、陰茎の変化
- 10歳未満で陰毛発生
- 11歳未満で腋毛、ひげ、変声
思春期早発症の治療
思春期早発症の治療は、お子さんの症状の進み方や年齢、検査結果などをもとに、必要に応じて行われます。すべてのお子さんに治療が必要というわけではなく、まずは「本当に治療が必要かどうか」をしっかり見極めることが大切です。
もし、思春期の進行が早く、骨の成長スピードが過剰に進んでしまっている場合には、将来の身長が低くとどまってしまう可能性があります。そのような場合、治療として「性腺刺激ホルモン放出ホルモンアナログ製剤(GnRHアナログ)」というお薬を使って、思春期の進行を一時的に抑える方法が用いられます。この治療は通常、月に1回の注射で行われ、お子さんの体の成長をゆるやかにし、将来の身長を守ることを目的としています。
治療の期間は、思春期が始まる適切な時期まで続け、その後は自然な形で思春期が進むようサポートしていきます。治療中は、定期的に身長や体重、ホルモン値のチェック、骨の成長の状態を確認しながら、慎重に経過を見ていきます。
